
住宅のまめ知識(コラム)
2025年04月05日
分譲住宅のメリット・デメリットを解説!購入前に知っておくべき注意点
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分譲住宅のメリット・デメリットを解説!購入前に知っておくべき注意点
1. はじめに:分譲住宅とは?
分譲住宅と注文住宅の違い
分譲住宅と注文住宅の大きな違いは、土地と建物を誰が用意し、どのように建築するかという点にあります。それぞれの違いを理解することは、自分に合った住宅選びの第一歩です。

【分譲住宅】
(土 地)不動産会社が用意
(建 物)不動産会社が建築
(プラン)複数用意されたプランから選択
(コスト)比較的安価
(工 期)完成済み物件ならすぐに入居可能
(自由度)低い
【注文住宅】
(土 地)自分で探す
(建 物)ハウスメーカーや工務店に依頼
(プラン)自由に設計
(コスト)かなり幅あり
(工 期)設計から完成まで数カ月~1年以上
(自由度)高い
分譲住宅は、土地と建物がセットで販売されます。すでに完成している物件もあれば、これから建築される物件もあります。間取りや設備はある程度決まっており、購入者は複数のプランの中から自分の好みに合ったものを選びます。
一方、注文住宅は、土地探しから自分で行い、ハウスメーカーや工務店と相談しながら間取りや設備、デザインなどを自由に決めて家を建てます。世界に一つだけの理想の家を建てることができますが、その分、費用や手間はかかります。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、ご自身のライフスタイルや希望に合った選択をすることが重要です。
分譲住宅を選ぶメリット・デメリットを知る重要性
分譲住宅の購入は人生における大きな決断です。だからこそ、メリットとデメリットの両方をしっかりと理解した上で購入を検討することが重要です。メリットだけを見て衝動的に購入してしまうと、後々後悔する可能性も出てきます。
【メリットの理解】
・費用が明確、予算を立てやすい
・購入前に実物を見学できる
・スケジュールが明確、入居時期が予測しやすい
・街並みが統一され、景観が良い
・すぐにコミュニティに参加できる
【デメリットの理解】
・間取りやデザインの自由度が低い
・施工会社を選べない
・工事中の過程を確認できない
・希望のエリアや土地に物件がない場合もある
例えば、費用面では注文住宅よりも比較的安価で購入できるというメリットがありますが、間取りやデザインの自由度が低いというデメリットも存在します。
また、完成物件であればすぐに内覧し、入居できるメリットがありますが、施工会社を選べないというデメリットもあります。このように、メリットとデメリットは表裏一体です。
事前にメリット・デメリットを理解することで、本当に自分に合った住宅なのか、納得のいく選択ができるようになります。購入前にしっかりと情報収集を行い、後悔のない住宅購入を実現しましょう。
2.分譲住宅のメリット
2-1.費用が明確で予算を立てやすい
価格が最初に提示されているため、資金計画が立てやすい
分譲住宅の魅力の一つは、物件価格が最初に提示されていることです。これにより、購入希望者は自身の予算と照らし合わせ、無理のない資金計画を立てやすくなります。
【分譲住宅】
(価格提示)最初に提示
(資金計画)立てやすい
【注文住宅】
(価格提示)設計後に提示
(資金計画)変更の可能性あり
注文住宅の場合、間取りや設備の決定を経て最終的な価格が提示されるため、初期段階での予算把握が難しく、計画変更を余儀なくされるケースも少なくありません。一方、分譲住宅は価格が明確なので、住宅ローンや自己資金のバランスを早期に検討できます。
例えば、希望する分譲住宅の価格が3,000万円だった場合、頭金をいくら用意し、いくら借り入れればよいかを具体的に計算できます。
● 頭金:300万円(物件価格の10%)
● 借入額:2,700万円
このように、初期段階で明確な数字を基に資金計画を立てられるため、住宅購入後の生活設計もスムーズに進められます。物件価格が予算内であれば、安心して購入手続きに進めるという安心感も大きなメリットです。
注文住宅よりも費用を抑えられることが多い
分譲住宅は、注文住宅よりも費用を抑えられることが多いです。これは、複数の住宅をまとめて建築することで、資材の大量仕入れによるコスト削減や、建築工程の効率化といったメリットがあるためです。
【分譲住宅】
(設計費用)分散されるため安価になる
(建築費用)大量仕入れによりコスト削減
(人件費) 効率化によりコスト削減
【注文住宅】
(設計費用)個別設計のため高額になる
(建築費用)資材の個別調達になるため高額になる
(人件費) 個別対応のため高額になる
また、土地の仕入れにおいても、分譲住宅の場合はまとめて仕入れるため、1区画あたりの土地代が割安になる傾向があります。
さらに、分譲住宅では、あらかじめ建築プランや設備仕様が決められているため、追加費用が発生しにくいというメリットもあります。注文住宅では、建築途中で間取りや設備の変更が生じやすく、その度に費用が追加される場合があります。
これらのことから、費用を抑えたい方にとって、分譲住宅は魅力的な選択肢と言えるでしょう。ただし、建築資材の高騰や土地価格の高騰など、市場の動向によっては分譲住宅であっても価格が上昇する可能性もあります。購入を検討する際には、最新の市場価格を把握することが重要です。
2-2. 購入前に実物を見学できる
間取りや設備、日当たりなどを確認できる
分譲住宅は、購入前に実物を見学できることが大きなメリットです。モデルハウスや完成物件を見学することで、間取りや設備、日当たりなどを自分の目で確認できます。
例えば、以下のようなポイントを事前にチェックできます。
● 間取り:各部屋の広さや配置、収納スペースの大きさなど
● 設備:キッチン、浴室、トイレなどの設備の仕様やデザイン
● 日当たり:朝、昼、夕方の各時間帯における日当たりや風通し
● 周辺環境:近隣の建物や道路の様子、騒音の有無など
これらの要素を確認することで、具体的な生活イメージを持つことができ、自分に合った住宅かどうかを判断しやすくなります。
確認項目とチェックポイント
(間取り)各部屋の広さ、収納の大きさ、動線
(設備)キッチンの種類、浴室の広さ、トイレの機能
(日当たり)朝日が入るか、西日が強くないか
(周辺環境)騒音、近隣住民の様子、生活利便施設
また、見学時には、図面だけではわからない実際の空間の広がりや雰囲気を感じ取ることができます。例えば、リビングの広さや天井の高さ、窓からの眺めなどは、実際に見てみないとわからない部分です。
さらに、自分の目で確認することで、疑問点や不安点をその場で営業担当者に質問することも可能です。例えば、収納スペースの使い勝手や設備の操作方法など、具体的な質問をすることで、より深く理解することができます。
このように、分譲住宅は購入前に実物を見学できるため、安心して住宅選びを進めることができます。
2-3. スケジュールが明確で入居時期が予測しやすい
完成物件であれば、購入手続き後すぐに引越し可能
分譲住宅の魅力の一つとして、完成物件であれば購入手続きを終えた後、すぐに引っ越しできるという点が挙げられます。新居での生活を早くスタートさせたい方にとって、これは大きなメリットです。
【完成物件】
(引っ越し時期)購入手続き後すぐ
(待ち時間)ほぼなし
【注文住宅】
(引っ越し時期)完成後
(待ち時間)数カ月~数年
注文住宅の場合は、土地探しから始まり、設計、施工、完成まで数ヶ月から数年かかるのが一般的です。完成を待つ間、仮住まいが必要になるケースもあります。一方、完成済みの分譲住宅であれば、こうした待ち時間を大幅に短縮できます。物件の内覧も事前に可能なので、自分の目で見て確認してから購入を決められます。
すぐに引っ越しできるメリットは、以下のような方にとって特に大きいです。
● 転勤などで急な引っ越しが必要な方
● 仮住まいの費用を抑えたい方
● 新しい環境に早く慣れたい方
完成物件は、既に建物が完成しているため、図面だけでなく、実際の空間や日当たり、設備などを確認してから購入を決めることができます。入居前にリフォームが必要な場合でも、完成物件であれば必要な工事の範囲を具体的に把握しやすいでしょう。新生活をスムーズにスタートさせたい方は、完成済みの分譲住宅を検討してみてはいかがでしょうか。
工事期間の遅延リスクが少ない
分譲住宅は、すでに完成している物件や、工事が進んでいる物件が多いため、注文住宅に比べて工事期間の遅延リスクが少なくなっています。
【分譲住宅】
(工事期間の遅延リスク)低い
(入居時期の予測) 予測しやすい
【注文住宅】
(工事期間の遅延リスク)高い
(入居時期の予測) 予測しにくい
注文住宅の場合は、地盤改良工事や天候の影響などで、工事期間が遅れる可能性があります。完成が遅れると、入居時期もずれ込み、仮住まいの費用がかさんだり、引越しのスケジュール調整に苦労したりするケースも少なくありません。
一方、分譲住宅、特に完成物件の場合は、すでに工事が完了しているため、このようなリスクを回避できます。購入手続きが完了すれば、すぐに引越しが可能となります。
また、建設中の分譲住宅でも、あらかじめ完成時期が提示されていることが多く、入居時期の予測が容易です。そのため、ライフプランに合わせて計画的に引越し準備を進めることができます。
このように、分譲住宅は工事期間の遅延リスクが少ないため、安心して住宅購入を検討できるというメリットがあります。
将来的な資産価値の維持に繋がる可能性
分譲住宅は、街並みが統一されていることで、将来的な資産価値の維持に繋がる可能性があります。なぜなら、統一感のある街並みは、美しい景観を生み出し、良好な住環境を保つことに貢献するためです。
(景観)
一定のデザインコードに沿って建築されるため、統一感のある美しい街並みが形成されます。
(住環境)
管理規約などにより、良好な住環境の維持が期待できます。
(資産価値)
これらの要素により、資産価値が維持されやすい傾向にあります。
個々の住宅の資産価値は、立地や建物の状態など様々な要因によって変動しますが、街全体の景観が美しく、住環境が良好に保たれていることは、プラスの要因として評価される可能性が高いです。
例えば、将来売却を検討する際、統一感のある美しい街並みは、購入希望者にとって魅力的なポイントとなります。また、適切な管理体制が整っていれば、建物の劣化を防ぎ、長期的に良好な状態を保つことができるため、資産価値の低下リスクを軽減することに繋がります。
ただし、資産価値の維持は絶対的に保証されるものではありません。市場の動向や周辺環境の変化など、様々な要因が影響することを理解しておく必要があります。
■3. 分譲住宅のデメリット
3-1. 間取りやデザインの自由度が低い
自分好みにカスタマイズできない
分譲住宅は、すでに間取りや設備が決まっているため、注文住宅のように自由にカスタマイズすることができません。自分の理想の住まいを思い描いている方にとっては、この点がデメリットとなるでしょう。
例えば、以下のようなカスタマイズは難しいです。
● 間取りの変更:部屋の数や大きさ、配置などを変更することはできません。
● 設備の変更:キッチンや浴室、トイレなどの設備のグレードや種類を変更することはできません。
● 内装の変更:壁紙や床材の色、素材などを変更することはできません。
【分譲住宅】
(間取り)変更不可
(設備)変更不可
(内装)変更不可
【注文住宅】
(間取り)変更可能
(設備)変更可能
(内装)変更可能
分譲住宅では、あらかじめ用意された複数のプランから選ぶことになります。そのため、間取りや設備、内装などが自分の好みに合わない場合でも、妥協が必要になるケースがあります。どうしても譲れないこだわりがある方は、注文住宅を検討する方が良いでしょう。
ただし、近年では、ある程度のカスタマイズを可能にするセミオーダータイプの分譲住宅も登場しています。例えば、壁紙や床材の色を選べたり、キッチンの設備をグレードアップできたりする物件もあります。分譲住宅であっても、ある程度の自由度を求める方は、セミオーダータイプの物件を探してみるのも一つの方法です。
設備や仕様の変更が難しい
分譲住宅は、すでに間取りや設備、仕様が決まっているため、注文住宅のように自由にカスタマイズすることが難しいというデメリットがあります。
例えば、キッチンの設備や浴室の仕様、壁紙の色などを変更したいと思っても、対応してもらえない場合がほとんどです。
どうしても変更したい場合は、別途費用が発生したり、そもそも対応が不可能な場合もあります。
【変更の可否】
(間取り)ほぼ不可
(キッチン)一部可(オプション費用が発生)
(浴室)ほぼ不可
(壁紙)一部可(オプション費用が発生)
(外壁)不可
変更可能な範囲は分譲会社によって異なりますが、一般的には下記のような項目は変更が難しいです。
● 間取りの変更:壁の移動や部屋の増減など
● 構造に関わる変更:耐震性や断熱性に関わる部分など
● 共用部分の変更:エントランスや廊下など
分譲住宅を購入する際は、あらかじめ間取りや設備、仕様をよく確認し、自分の希望に合っているかを確認することが重要です。
もし、どうしても譲れない部分がある場合は、注文住宅を検討するのも一つの方法です。
3-2. 施工会社を選べない
施工会社の評判や実績を事前に確認する必要がある
分譲住宅は、既に建築計画が決定しているため、施工会社を選ぶことはできません。そのため、購入前に施工会社の評判や実績をしっかりと確認することが重要です。以下に確認すべきポイントをまとめました。
【確認事項】
(会社の沿革)
設立年月日、資本金、従業員数など、会社の規模や歴史を確認しましょう。
(過去の施工実績)
どのような物件を手がけてきたのか、実績数や種類を確認しましょう。戸建て住宅だけでなく、マンションや商業施設などの実績も参考になります
(評判・口コミ)
インターネットの口コミサイトや、実際に物件を購入した人の声を参考に、会社の評判を調べましょう。良い評判だけでなく、悪い評判にも注目し、客観的に判断することが大切です。
(アフターサービス体制)
万が一、住宅に不具合が生じた場合の対応について確認しましょう。保証期間や内容、連絡方法などを事前に確認しておくことで、安心して暮らすことができます。
(財務状況)
会社の財務状況が健全であるかどうかも重要なポイントです。倒産のリスクを避けるためにも、財務状況の公開情報を確認しましょう。
これらの情報を総合的に判断することで、信頼できる施工会社かどうかを判断することができます。情報収集には、インターネットの活用だけでなく、住宅展示場などで担当者に直接質問するのも有効です。
アフターサービスの内容も確認が必要
分譲住宅は、購入後に不具合が発生した場合のアフターサービスの内容も重要な確認ポイントです。施工会社によって対応範囲や期間が異なるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
アフターサービスの内容は、一般的に以下のような項目が含まれています。
(保証期間)構造耐力上主要な部分、雨水の侵入を防止する部分などの保証期間
(保証内容)保証期間中の不具合に対する修理・交換などの対応
(点検時期)定期点検の実施時期と内容
(連絡先)アフターサービスに関する問い合わせ窓口
保証期間は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づき、構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分については10年間の保証が義務付けられています。その他、設備機器などについては、メーカー保証が適用される場合もあります。保証期間の長さだけでなく、保証内容や対応の迅速さも確認しておきましょう。定期点検は、住宅の不具合を早期に発見し、大きなトラブルを未然に防ぐために重要です。点検時期や内容、費用なども確認しておきましょう。
アフターサービスの窓口が明確になっているか、連絡方法や対応時間も確認しておくと安心です。迅速かつ丁寧な対応をしてくれる施工会社を選ぶことが大切です。
これらの情報を事前に確認し、アフターサービスが充実している分譲住宅を選ぶことで、安心して長く住み続けることができます。
3-3. 工事中の過程を確認できない
建物の品質管理に不安が残る場合も
分譲住宅は、工事中の過程を実際に見ることができないため、建物の品質管理に不安を感じる方もいるかもしれません。特に、基礎工事や構造部分など、完成後に確認できない部分は、施工の良し悪しが建物の安全性や耐久性に大きく影響します。
【確認できること】
・完成後の建物
・完成後の設備
・日当たりや周辺環境
【確認できないこと】
・基礎工事
・構造部分の施工
・使用されている建材の品質
完成物件を見学しても、内部の構造や使用されている建材の品質までは確認できません。そのため、施工会社の評判や実績を事前に調べておくことが重要です。第三者機関による検査が行われているかどうかも確認しておくと安心です。
もし、既に完成している物件を購入する場合でも、内覧会などを利用して、建物の状態を細かくチェックしましょう。クロスや床の仕上がり、建具の開閉具合など、目に見える部分で施工の丁寧さを判断できます。
また、アフターサービスの内容や保証期間についても確認しておきましょう。万が一、欠陥が見つかった場合の対応についても、事前に確認しておくことが大切です。
完成物件であれば、施工中のトラブルは既に解消されている
分譲住宅には、既に工事が完了している完成物件と、これから工事が始まる未完成物件があります。完成物件のメリットは、実際に建物を内覧して状態を確認できることです。特に、施工中のトラブルに関して、以下のような点が安心材料となります。
●トラブルの有無を確認できる
建物の内外装、設備などを自分の目で見て確認できます。施工不良があれば、購入前に発見できます。
●補修済みの状態を確認できる
万が一、施工中にトラブルが発生していたとしても、既に補修が完了している状態を確認できます。
●追加費用が発生しない
後から補修費用を請求される心配がありません。
完成物件であれば、施工中に発生したトラブルは、売主の責任で解決されています。例えば、雨漏りや壁のひび割れといった問題は、購入前に補修されているはずです。そのため、購入後に追加費用が発生する心配もありません。
一方、未完成物件の場合、施工中のトラブルを自分の目で確認することはできません。また、引き渡し後にトラブルが発覚した場合、売主との間で補修責任をめぐるトラブルが発生する可能性もあります。
完成物件は、未完成物件と比べて価格が割高になる傾向がありますが、施工中のトラブルリスクを避けたい方にとっては、安心できる選択肢となります。安心して新生活をスタートできるという点で、完成物件のメリットは大きいと言えるでしょう。
■4. 分譲住宅がおすすめの人
予算が決まっていて、費用を抑えたい人
分譲住宅は、あらかじめ価格が提示されているため、予算に合わせて物件を選ぶことができます。一般的に、注文住宅よりも費用を抑えられる傾向があります。土地の購入から設計、施工まで全て自分で行う注文住宅と異なり、分譲住宅では複数の住宅をまとめて建築するため、コスト削減効果が期待できます。
【分譲住宅】
(土地購入費)分譲価格に含まれる
(設計費用)分譲価格に含まれる
(建築費用)分譲価格に含まれる
【注文住宅】
(土地購入費)個別購入
(設計費用)個別購入
(建築費用)個別購入
既に予算が決まっている方、あるいは費用を抑えたい方にとって、分譲住宅は魅力的な選択肢となるでしょう。例えば、頭金や住宅ローンの借入額の上限が決まっている場合、予算内で希望に合う物件を見つけやすいため、資金計画が立てやすいメリットがあります。
また、分譲住宅は標準仕様が決まっているため、追加費用が発生しにくい点もメリットです。注文住宅では、こだわりの設備やオプションを追加することで費用が膨らみがちですが、分譲住宅であれば、予算オーバーのリスクを軽減できます。
ただし、分譲住宅の価格設定は、地域や物件の規模、設備などによって大きく異なります。希望エリアの相場を事前に調べておくことで、予算に合った物件を選びやすくなります。

すぐに住みたい人
分譲住宅は、既に完成している物件や、完成間近の物件も多くあります。そのため、賃貸住宅のように、入居時期を比較的自由に選ぶことができます。
(完成物件)
購入手続きが完了すれば、すぐに引越しが可能
(建築中の物件)
完成時期が明確なため、入居時期の計画が立てやすい
すぐに住みたい理由は人それぞれです。以下のような事情を抱えている方にとって、分譲住宅はメリットが大きいでしょう。
● 転勤が決まり、すぐに新しい住まいが必要な方
● 現在お住まいの賃貸住宅の契約が切れる方
● 結婚や出産などを控えており、早めに新居を確保したい方
分譲住宅であれば、住宅探しにかかる時間を短縮し、スムーズに新生活をスタートさせることが可能です。また、完成物件であれば、内覧時に室内の状態や設備を確認できるため、入居後のイメージを掴みやすい点もメリットです。
一方、注文住宅の場合、土地探しから始まり、設計や施工に時間を要するため、入居までには1年以上かかるのが一般的です。すぐに住みたい方には不向きと言えるでしょう。
このように、分譲住宅は、時間的な制約がある方にとって、非常に魅力的な選択肢となります。
面倒な手続きや打ち合わせを省きたい人
分譲住宅は、注文住宅と比べて手続きや打ち合わせが簡略化されているため、時間や手間を省きたい人に適しています。以下のような点を比較してみましょう。
【分譲住宅】
(土地探し)不要
(間取り決定)ほぼ決定済み
(設備・仕様決定)ほぼ決定済み
(打合せ回数)少なめ
(工事期間の確認)不要(完成物件の場合)
【注文住宅】
(土地探し)必要
(間取り決定)自由に設計
(設備・仕様決定)自由に選択
(打合せ回数)多数
(工事期間の確認)必要
注文住宅では、土地探しから始まり、間取りや設備、仕様など、様々な決定事項について何度も打ち合わせを重ねる必要があります。一方、分譲住宅では、これらの項目が既に決まっているため、打ち合わせの回数を大幅に減らすことができます。
また、間取りや設備の決定に悩む必要がないため、スムーズに購入手続きを進めることができます。特に、仕事が忙しく時間がない方や、住宅購入の経験が少ない方にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。完成物件であれば、内覧後、購入を決めたらすぐに引越し手続きを進めることができます。煩雑な手続きや決定事項に時間を割きたくない人にとって、分譲住宅は魅力的な選択肢です。
住宅ローンや資金計画を立てやすい物件を探している人
分譲住宅は、すでに価格が提示されているため、住宅ローンや資金計画を立てやすいというメリットがあります。物件価格が明確なので、自己資金と住宅ローンの借入額を容易に計算できます。
(物件の明確化)
既に価格が提示されているため、総額が分かりやすい
(ローンシミュレーション)
簡単に利用でき、返済額のイメージがつきやすい
(資金計画の立案)
購入にかかる費用を明確に把握し、無理のない計画を立てられる
物件価格が確定していることで、住宅ローンの事前審査もスムーズに進められます。住宅ローンは、物件価格を元に借入額が決定されるため、価格が確定している分譲住宅は、審査に必要な書類の準備も容易になり、審査結果も早く得られる傾向があります。
また、分譲住宅の中には、住宅ローンに関する優遇制度を設けている物件もあります。例えば、提携金融機関を利用することで、金利優遇や手数料減免などの特典を受けられる場合があります。これらの制度を活用することで、より有利な条件で住宅ローンを組むことが可能です。
このように、分譲住宅は、価格の明確さ、ローン審査の容易さ、優遇制度の活用など、住宅ローンや資金計画を立てやすいという点で大きなメリットがあります。そのため、資金計画を重視する方にとって、分譲住宅は魅力的な選択肢と言えるでしょう。
近隣住民とのコミュニティを重視する人
分譲住宅は、同じ時期に多くの住民が入居するため、コミュニティ形成がしやすいというメリットがあります。近隣住民との良好な関係を築きたいと考えている方には、分譲住宅は最適な選択肢となり得ます。
(交流の機会が多い)
同じ時期に入居する住民が多いため、自然と交流の機会が増えます。
(地域の情報共有がスムーズ)
新しい地域の情報交換や、子育てに関する情報共有などがしやすい環境です。
(防犯意識の向上)
住民同士が顔見知りであることで、防犯意識の向上に繋がります。
(助け合いの精神)
緊急時や困った時に、近隣住民が助け合うことができます。
分譲住宅地では、住民同士の交流を深めるためのイベントが開催されることもあります。例えば、夏祭りやクリスマス会などを通して、住民同士の親睦を深めることができます。また、子供がいる家庭では、公園や子育て支援施設などで交流する機会も多くなります。
このように、分譲住宅はコミュニティを重視する人にとって、良好な人間関係を築きやすい環境です。新しい土地で安心して生活を始めたい方、近所付き合いを大切にしたい方にとって、分譲住宅は魅力的な選択肢と言えるでしょう。
■5. まとめ:メリット・デメリットを理解して最適な選択を
分譲住宅の購入は人生における大きな決断です。メリットとデメリットをしっかりと理解し、自分にとって最適な選択をすることが重要です。
分譲住宅は、費用やスケジュールの明確さ、完成物件を見学できるといったメリットがある一方で、間取りやデザインの自由度が低い、施工会社を選べないといったデメリットも存在します。
これらのメリット・デメリットを踏まえ、ご自身のライフスタイルや家族構成、予算などを考慮しながら、分譲住宅が本当に自分に合っているのかをじっくり検討しましょう。
例えば、費用を抑えたい、すぐに住みたい、近隣住民とのコミュニティを重視したいという方には、分譲住宅は適していると言えるでしょう。反対に、間取りやデザインにこだわりたい、施工会社を自分で選びたいという方には、注文住宅の方が適しているかもしれません。
分譲住宅購入を検討する際には、メリットだけでなくデメリットもきちんと理解した上で、後悔のない選択をしてください。