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住宅のまめ知識(コラム)

2024年10月15日

憧れの家造り「中庭のある家について」知っておきたい6つのポイント!!

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憧れの家造り「中庭のある家について」知っておきたい6つのポイント!!


旅館などでもたまに見る中庭。オシャレな空間作りができ、高級感もあってステキですよね。そんな中庭をご自身のお家にも作りたい…と憧れていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
中庭があることで室内に日の光が入りやすく明るい印象になりますし、緑などの自然を間近に感じることができ、とても魅力的なお家作りのポイントとなってくれることでしょう。
とは言え、間取りや形状が特徴的なため、しっかりと注意点を把握していただく必要があります。

今回は中庭のあるお家の特徴やメリット・デメリットについて、「中庭について知っておきたい6つのポイント」としてご紹介します。


知っておきたいポイント(1). 中庭ってなに?その始まりとは

まずは中庭とはどの様なものを指して言うのか、また少し歴史についてもご案内したいと思います。

中庭とは、壁や建物に囲まれた屋根の無いスペースのことを指します。関西の趣ある住宅などに見受けられる”坪庭”も、中庭のひとつと言えます。

中庭の歴史

古代、調理などのために家の中で焚火を燃やした際の発する煙を逃がすために、天井に小さな穴が開けられていました。この穴が後に大きくなっていったことが、現在の中庭へと発展したと言われています。

もっとも古い中庭のある住居は、紀元前3000年頃の中東や中国で確認されています。
現在のような鑑賞用途が高い利用の仕方ではなく、外部から守られながらも室内のような閉鎖的な空間としてではないことから、セキュリティを守りつつも心休める空間として活用されていました。
利用用途は様々で、調理場・仕事場・遊び場・家畜の飼育場など多目的に活用されていました。

元々、一般庶民は長屋で暮らすことが主な家屋のスタイルであった日本では、なかなか中庭のあるお家はありませんでした。しかし、裕福層のお家には”坪庭”がありました。
1980年代のバブル時期のドラマで、パティオ(スペイン語で中庭の意味)を使ったシーンが視聴者の憧れとなり、日本でも徐々に浸透していった経緯があります。


知っておきたいポイント(2). 中庭の間取りタイプ

中庭を考えたお家の場合、間取りのタイプは3タイプになります。
● ロの字型
● コの字型
● L字型

それぞれのタイプについて、ご紹介します。

▶ロの字型の中庭

カタカナのロの字のように、中庭の四方を家が囲んでいる間取りになります。
四方を建物で囲んでいることから、完全に外部とは離された空間で、プライバシーを重視するお家に適した間取りです。
こちらの間取りは四方が建物に囲まれていることで、セキュリティ面・プライバシー面がもっとも高い間取りパターンではありますが、その分閉塞感を感じてしまう可能性があります。
その為、敷地面積はある程度の大きさを確保することをオススメします。

▶コの字型の中庭

中庭の三方が建物で囲まれている”コの字型”。一方がオープンな状態になっているため、閉塞感を感じることなく、光や風を取り入れやすい間取りになっています。
プライバシーを確保しつつ、開放感も得られるこちらの間取りは大変人気ですが、動線設計が難しいという点があります。
毎日生活する場ですから、ストレスにならないよう、導線について設計の段階でしっかりと考えて進めるようにしましょう。

▶L字型

中庭の二方が建物に囲まれている”L字型”。中庭の中でももっとも開放感がある間取りになります。コンパクトな敷地でも中庭を作ることができるため、都会や住宅街などの敷地面積が限られている場所で人気の間取りになります。
ただし、通常の庭との違いが分かりにくく、プライバシーが確保しにくいという点には注意が必要です。


知っておきたいポイント(3). 中庭を作る際に気を付けるべき点とは?

中庭住宅の間取りについてご紹介しましたが、どの間取りのパターンでも通常の住宅とは多少異なる配慮が必要です。
中庭を作る際に気を付けていただきたいポイントについて、ご紹介します。

▶気を付けるポイント1. 配置

中庭をお家のどこに配置するかによってイメージが大きく異なりますが、イメージや見映えだけではなく断熱性や採光の面についても考慮しながら、配置を検討していただくことをオススメします。
例えばお家の中心に中庭を設置した場合、どこからでも中庭を眺めることができ、見映えはとても良いと思います。ですが、中庭と接しているお部屋はどうしても断熱性能が下がってしまうため、お家が全体的に寒いと感じてしまうかもしれません。
必ずしもお家の中心に中庭を設置する必要はありませんので、室内の間取りとともに配置場所をご検討ください。

▶気を付けるポイント2. 窓の大きさ

中庭に面したお家の窓は、見晴らしの良い大きい窓をイメージしますが、そうすると断熱性が下がってしまいます。
とは言え、窓が小さ過ぎたら採光の確保がしづらいという問題点が出てきてしまいます。
景観なども考慮したうえで、最適なサイズを検討するようにしましょう。

▶気を付けるポイント3. 生活導線

中庭があると、一般的な間取りよりもお部屋の配置が難しくなります。建物内に居室とは別の空間を設けることになるため、配慮が必要です。
室内の移動距離が長くなってしまうと、疲労が多く使い勝手の悪い家という印象を持ってしまいます。
例えば、キッチンと洗濯室や脱衣所などの水廻りを近くするなど、生活導線に配慮した配置を考えましょう。

▶気になるポイント4. 排水

中庭は建物に囲まれるため、どうしても水はけが悪くなってしまいます。そのため、排水する場所を確保する必要があります。
また、排水する場所にゴミが詰まらないように、こまめなメンテナンスを行うことも大切です。


知っておきたいポイント(4). 中庭がある家のメリットとは

中庭があるお家のメリットは、おしゃれや雰囲気が良いなど多々あるかと思いますが、そのなかでも機能性や暮らしの面でのメリットについて、ご紹介します。

▶メリット1. 防犯性が高くなる

中庭は外部からの視線が入りにくく、また窓の設置を中庭側にすることで不審者の侵入のリスクもぐんと減らすことができます。
ただし、外部から中の様子が全く見えないというのは死角になって危険な点もあるため、壁の一部にスリットを入れたりデザインブロックにするなど、多少の配慮は必要と言えるでしょう。

▶メリット2.風通しや採光が良い

中庭が光取りの役割を担うため、お部屋に自然光が取り入れやすくなります。また、中庭に面した窓でお部屋全体に対して風通しも良くなります。
中庭を設ける際にはある程度の広さの敷地面積が必要と思われがちですが、この採光や風通しの面を考えると、狭小地や住宅が密集している場所こそ、中庭を設けることをご一考いただきたいと思います。

▶メリット3.プライバシーの確保

防犯性と通じるところがありますが、中庭があることでプライバシーも確保しやすいというメリットがあります。
外にいるような開放感を感じつつ、外部の視線は遮ることができるため、例えば洗濯物を干したり、夏場は子供達をプールで遊ばせる…なんてことも気兼ねすることなく行うことができます。

▶メリット4.多目的スペースとして活用できる

例えば子供達の遊び場として、親御さんは室内で家の用事をしながら見守ることができます。
他にもDIYの作業場として活用したり、休日はバーベキューを楽しんだり、ガーデニングなど。様々なシーンで利用することができるスペースとして活用できます。
建物に囲まれている分、音や煙などの近所迷惑になり得ることも必要以上に神経を使う必要は無いでしょう


知っておきたいポイント(5).中庭がある家のデメリットとは?

続いてデメリットについても、注目していきたいと思います。
メリットとデメリット、両方を知ることで比較検討していただければと思います。

▶デメリット1.居住スペースが限られてしまう

本来の間取りであればひとつの居室として設けることができる面積を中庭に割り当てるということは、それだけ居住スペースが削られてしまうということです。
居住スペースは家族が不満をもたない広さを確保する必要があります、もし、中庭を作るために十分な居住スペースが作れない…と悩む場合には、居住スペースの確保を優先することをオススメします。

▶デメリット2.建築費用・メンテナンス費用

中庭の分、壁の表面積や窓が多くなります。その分の建築費用が嵩みますし、また中庭を設けるためには相応の広さの土地が必要です。その分の費用もプラスで考えなければいけません。
そして、10〜15年前後の周期で定期的な外壁のメンテナンスも行わなければいけませんが、中庭がある分、外壁面積が多いためメンテナンス費用も高くなってしまうのです。

▶デメリット3.断熱性能

中庭に面した窓は大きな窓を設置することが多いかと思います。最近ではトリプルサッシなどの断熱性能に優れた窓がありますが、それでも真冬の厳しい寒さを完全にシャットアウトするのは難しく、断熱性能は低くなってしまいがちです。
窓枠のサッシも含めた、断熱性能に富んだ資材の利用を検討することをオススメします。

▶デメリット4.メンテナンス

中庭に限らず外庭でも、雑草駆除をしたり植栽の手入れをしたり…といってメンテナンス作業は必要となりますが、中庭の場合には室内から見えるところにあるため、キレイな景観を保つためにも、定期的なメンテナンスを行うことをオススメいたします。


知っておきたいポイント(6).中庭のメンテナンスについて

メンテナンス作業は素人の手にはなかなか難しいものです。とは言え、けっして無理な作業ではありません。
プロの手を借りず、さらに手間の掛からない自分でできる中庭のメンテナンス法について、ご紹介します。

▶手間の掛からないメンテナンスその1.植栽選び

中庭の中心にシンボルツリーを掲げることを想像していらっしゃる方もいるかと思いますが、メンテナンスの面を考えるとこの植栽選びも重要なポイントです。
● なるべく落ち葉の少ないもの
● 1年を通じて葉が緑の状態を保っているもの(常緑樹)
上記条件にあう植栽がオススメです。
代表的なものとしてツツジやサツキ、クリスマスツリーとしても活用されるコニファーなどいかがでしょうか。

▶手間の掛からないメンテナンスその2.砂利を敷く

中庭の床部分をウッドデッキなどにしたら見映えも良くオシャレですが、数年したらデッキを張り替えたり、塗料を塗りなおしたり…とメンテナンスが大変です。
砂利は手軽に敷くことができ、比較的安価で手に入る材料です。また、砂利を敷くことで雑草も生えにくくなります。生えてきても砂利ならぬきやすいので、素人でも簡単にメンテナンスが可能です。

▶手間の掛からないメンテナンスその3.芝を敷く場合には、他の植栽は置かない

維持費が安く見栄えが良いことから、中庭に芝を敷くことを検討されていらっしゃる方も多いかと思いますが、芝は伸びてきた時に刈らなくてはいけません。特に春から夏にかけては芝が伸びやすいので要注意です。
芝刈りの作業で他に余計な植栽を置いていると手間が掛かるため、芝を敷いた場合にはなるべく他の物は置かないことをオススメします。

まとめ

中庭について、歴史の概要やメリットやデメリットも含め、ご紹介しました。
中庭のあるステキなお家を検討中であれば、事前の情報収集がとても大切です。こちらの記事でご紹介した内容も参考にしていただけたら、幸いです。
ぜひご自身が思い描いた魅力的な中庭をプロデュースしてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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