住宅のまめ知識(コラム)
2024年10月14日
実は色々ある「フローリング」。突板フローリングとシートフローリングの違いについて
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実は色々ある「フローリング」。突板フローリングとシートフローリングの違いについて
洋室と言えばフローリング。最近の住宅事情としては、和室よりも洋室が主となり、畳のお部屋が無いと言うお宅も増えてきましたよね。
フローリングは聞きなれているし見慣れていると思いますが、実はそのフローリングにも様々な種類があるのはご存じでしたでしょうか?
今回はそんなフローリングの種類と、その中でも突板フローリングとシートフローリングの違いについて、ご紹介します。
フローリングの種類について
まずはフローリングの種類について、ご紹介します。
フローリングの種類は大きく分けると2種類に分かれます。「単層フローリング」と「複合フローリング」です
「単層フローリング」とは字のごとく、一枚の板(単層)を用いたフローリングです。一般的に無垢材を使ったフローリングと呼ばれるのは、この「単層フローリング」です。
素材として天然木が使用されることから、自然派のイメージが強いフローリングです。
「複合フローリング」は別名 ”合板フローリング” とも呼ばれ、こちらも字のごとく、いくつかの素材を重ね合わせて作るフローリングです。
複合(合板)フローリングの種類の中に ”挽き板フローリング” ”突板フローリング” ”シートフローリング” などのタイプがあります。
<単層フローリングと複合フローリングの代表的な違い>
単層フローリングのメリット・デメリット
フローリングの種類によって、メリット・デメリットがあります。まずは単層フローリングのメリット・デメリットについて、ご紹介します。
<単層フローリングのメリット・デメリット>
複合フローリングのメリット・デメリット
続いては複合フローリングのメリット・デメリットです。
複合フローリングは、その中でも何種類か分かれることを先にご紹介しましたが、ここでは代表的なポイントを例にあげてご紹介します。
<複合フローリングのメリット・デメリット>
複合フローリングの種類について
複合フローリングの中にもいくつかの種類があるとご紹介しました。
その種類は主に3種類で「挽き板」「突板」「シート」になります。
それぞれの違いは”化粧板”と呼ばれる、表面に使用される板が何であるか…によってことなります。
「挽き板」は2mm程度の厚みがある天然木を使用します。見た目的にはもっとも単層フローリングに近いタイプです。
「突板」は0.3〜1mm程度にスライスした天然木を使用します。こちらも表面は天然木を使用していますが、薄くスライスした木材のため、高級感などの見た目はどうしても挽き板タイプよりも劣ります。
「シート」は木目がプリントされているシートを合板に貼り付けたものです。シートを貼り付けていますので天然木とは材質からして異なりますが、最近の技術進歩は著しく、本物の木の雰囲気を感じさせるシートや木目だけではなく石目調など、様々なシートが登場しています。
※画像はHP:フローリング総合研究所よりお借りしました
現在のフローリング主流は「突板フローリング」や「シートフローリング」
最近の住宅は洋風タイプが増えてきたことから、畳みや土間よりもフローリングを使用している率が大変高くなっています。
「【住まいの床】に関するアンケート調査」によると、リビングで使用している床材の実に74.5%はフローリングという結果が出ています。
※引用:アイボスコム株式会社による「【住まいの床】に関するインターネット調査」より
お家を建てる際にフローリングを利用する箇所が多いということもあり、安価でお手入れしやすいタイプが人気を集めています。
単層フローリング(無垢材)も高い人気がありますが、広範囲な場所に利用されるというよりも、重厚感を感じたい・高級感を演出したい場所や部屋…など、使用する場所を選んでポイント的に活用されることが多いようです。
突板フローリング」と「シートフローリング」の違いについて
突き板フローリングとシートフローリングの構造的な違いについては、先にご紹介しました。
ここではそれぞれのメリット・デメリットも踏まえた、実用的な面から見た違いについて、ご紹介します。
踏み心地は「突板フローリング」
床は家の中でもっとも肌と接することが多い箇所です。
フローリングの踏み心地は実はけっこう大事なポイントだったりします。
天然木を使用している分、やはり突板フローリングの方が踏んだ心地の好感度は高いと感じる人が多いようです。
とは言え最近の技術進化から、シートタイプも木肌の凸凹感や樹木特有の質感を表現しているものが出てきています。
メンテナンスが楽なのは「シートフローリング」
フローリングと言えば、お手入れにワックスが必要だったり、汚れがついたら木材に染みついて取りづらかったり…など。何かとメンテナンスが大変という点がありました。
その点シートフローリングは、ワックスフリーで大丈夫ですし、汚れもサッと拭きとって落ちやすいという利点があります。
表面がシートなので日焼けもしにくく、メンテナンスが楽な点はとても嬉しいポイントですよね。
デザイン豊富なのは「シートフローリング」
プリントシートであるため、様々なデザインを楽しむことができます。
また、品質や仕上がりが均等であるため施行がしやすいという点もシートフローリングの魅力です。天然木のように節目を合わせたり…という手間が必要ありません。
安価でも木の雰囲気を楽しみたいなら「突板フローリング」
薄い天然木を化粧板として使用している突板フローリングは、単層フローリングに比べると木の重厚感や高級感は劣りますが、それでも木本来の雰囲気を味わうことができます。
単層フローリングと比べて安価なため、木を雰囲気を感じながら広範囲で使用することができるのは、突板フローリングの大きなメリットと言えるでしょう。
<突板フローリングとシートフローリングの主なメリット・デメリット>
※画像はHP:フローリング総合研究所よりお借りしました
フローリング、他にはこんな種類も!
今回の記事では単層フローリング・複合フローリングについて、ご紹介しました。
床材として他にも色々な種類があります。ここでは他の床材の種類についてご紹介しkます。
様々な床材その1.クッションフロア
シート状の床材で、素材は塩化ビニールになります。
耐水性に優れシミになりにくく、汚れも中性洗剤でサッと拭けばOKです。
施工しやすいというメリットもあり、リフォームで利用されることも多い床材です。
<メリット>
● 耐水性に優れている
● 汚れのお手入れが楽
● リフォームしやすい
<デメリット>
● 人工物感が強く、高級感は感じにく
● 重いものを置くと、シートの凹み・剥がれ・痕残りなどになることが…
● 資材が浮いてしまうことがあり、浮いてしまった場所からカビなどの原因になることが…
様々な床材その2.タイル
素材は陶器・石器・磁器など、様々な種類があり、石や粘土などの素材で作られています。
重厚感があり吸水性が低いため、水を使った掃除(水を撒いてブラシでゴシゴシ擦ったり)が可能です。
<メリット>
● お掃除が楽
● シミ・傷がつきにくく、重いものを落としても凹むことは無い
<デメリット>
● 重いものを落としても凹むことは無いが、割れたり欠けることが…
● 接触感は冷たい
● 目地に入った汚れは取りにくい
様々な床材その3.フロアタイル
タイルではありますが、素材はポリ塩化ビニル樹脂であり、タイルよりは多少柔らかい雰囲気を感じることができる床材です。
デザイン的にも木目柄や石目柄などがあり、多くのバリエーションで楽しむことができます。
カッターでカットして施工することができるため、リフォームでもよく活用される床材です。
<メリット>
● タイルよりもデザインが豊富
● 傷やシミがつきにくく、土足OKのものもある
● 施工しやすい
<デメリット>
● 材質が硬いため、防音・遮音性はあまりない
● 1枚1枚敷くので、継ぎ目から水が入り込む可能があり、カビや剥がれの原因になることも…
様々な床材その4.畳
日本住宅で長年愛されてきた畳は、イ草を素材とした床材です。現在は化学畳表といった、イ草素材とは別の化学素材を使用した畳もあります。
四季を感じる日本の良さをもっとも感じることができる畳は、昨今の住宅からは少なくなってきていますが、それでも根強い人気があるのです。
<メリット>
● 天然イ草を使用している畳は保温性・調湿効果があり、四季を通じて快適に過ごすことができる
● イ草の香りでリラックス効果がある
● 化学畳表の場合、サイズ・カラーのバリエーションが豊富で、日焼けや色褪せしにくいというメリットがある
<デメリット>
● イ草はダニやカビに弱いため、畳を干すなど定期的なメンテナンスが必要
● 耐久性はやや低い
様々な床材その5.カーペット
カーペットの素材は天然素材のウールやコットン・リネン、化学繊維だとナイロンやアクリル・ポリエステルなどがあります。
クッション性に優れ毛足が短いので、夏はサラッと・冬は暖かく過ごすことができます。
<メリット>
● 冬でも足元が暖かく過ごせる
● クッション性が高いので、衝撃を和らげてくれる。吸音性も高い
<デメリット>
● シミがつきやすく、お掃除やメンテナンスが大変
● 家具などを長い期間置くと、凹みや痕になってしまう
最適のフローリング材を選んで、快適なお家スタイルを!
フローリングについて、またフローリング以外の様々な床材についてもご紹介しました。
現在は主に「突板フローリング」「シートフローリング」が主流ではありますが、場所によって単層フローリング(無垢材)を活用したり、他の床材を活用したり。
その場その場の生活スタイルに適した床材を選ぶことで、より快適であなたの理想に近い暮らしを実現することができるでしょう。
ぜひ自分の生活シーンにピッタリとマッチしたタイプを選んでくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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